<金口木舌>ごみを資源に


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 海岸沿いの崖下などに大量に放置された使用済みの家電やプラスチック製品などの数々。宮古支局で勤務した十数年前、不法投棄が相次ぐ状況を取材した

▼長年続く人目につかない場所への投棄が膨大なごみの蓄積につながった。宮古島市は監視カメラを設置するなど、試行錯誤を重ねてきたが、いたちごっこだ
▼県内各地で不法投棄を巡る課題は今も続く。5月30日の「ごみゼロの日」に合わせた本紙記事によると、2020年度に確認された目視推計で1トン以上の不法投棄廃棄物群は131件、重量は2198トンに上る。件数、重さともに直近7年間で最多
▼南部では自宅の大掃除で出たごみを他人の農地へ投棄した住民もいたという。宮古では監視カメラが破壊された例もあった。法律で禁止され、違反者は懲役や罰金が科される不法投棄。代償は大きい
▼投棄による環境汚染や破壊は私たちの生活に跳ね返ってくる。プラスチック、金属などを分別することで再資源化して持続可能な社会につながることも認識し、地域全体で意識を高めたい。