<金口木舌>生活者目線はありますか?


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 駄菓子の「うまい棒」が10円から12円に値上げした。1979年の発売以来、初めてという。わずか2円と言えば少額に思えるが2割の上昇と考えると大きな変化だ

▼乳製品や食用油、調味料や飲料まで値上げラッシュが続く。県内では長雨の影響で野菜の価格上昇が懸念される。どれも生活に必要なものばかり。消費者のため息が聞こえてくる
▼日銀の黒田東彦総裁が「家計の値上げ許容度も高まってきている」と述べた。批判を受けて撤回したが、発言を盛り込んだ原稿に日銀内から異論はなかったという。金融政策の中枢からは私たちの暮らしが見えないらしい
▼毎月「100万円しか」もらっていないと発言した国会議員もいた。労働者の賃金は上がらずコロナ禍で収入が減った世帯も多い。為政者の金銭感覚がずれていることに、ため息しか出ない
▼庶民はスーパーを巡り1円でも安い商品を探す。厳しい状況を国政は把握しているのか。国民には一票を投じて声を上げる力がある。私たちの未来は、生活者の目線を持つ政治家に託したい。