<金口木舌>地域を守る決意


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 中国河北省の飲食店で女性客らが男たちに暴行される事件が起きた。動画が中国のSNS(交流サイト)で拡散され、衝撃が広がっている

▼至る所に監視カメラが設置され、政府が個人の行動を監視し信用を採点するシステムが導入されている国でも、理不尽な暴力を振るう者が存在する
▼理不尽な事件は沖縄でも起きている。26年前の今日、名護市で下校中の女子中学生=当時(15)=が拉致殺害された。国頭村内の遺体発見現場には観音像が建立されている
▼空手道場を主宰する名護市の宮里文博さん(71)は当時、門下生から「助けてください」と請われ、昼夜捜索活動に参加した。事件をきっかけに青少年育成ボランティア団体「子ども達を守る会・花」を設立し、地域の巡回などで子どもたちの見守りを続ける
▼宮里さんらの活動もあり、その地域では子どもを狙った事件はあれ以来起きていない。19日、宮里さんや県警OBらが観音像周辺の清掃活動を実施した。事件を風化させず、子どもたちを守るという固い決意が地域を守っている。