<金口木舌>先に武器を置く勇気


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 「私たちは弱いから先に武器を置こう 武器を置くことを 命どぅ宝と言い切れる勇気を 私たちの強さと呼びたい」。宮古島市全戦没者追悼式で西辺中3年の上原美春さん(14)が読んだ平和の詩の一部だ。大切なメッセージが込められている

▼6日、米韓両軍は戦術地対地ミサイル8発を日本海に向け発射した。前日に北朝鮮が短距離弾道ミサイル8発を発射したことに対抗し、対応能力を示した
▼7日には日米合同の戦闘機訓練も行われた。さらに今後も日米韓による合同訓練が計画される。北朝鮮へのけん制が念頭にある
▼確かに北朝鮮が周辺地域へのミサイル発射を繰り返す挑発行為は許されるべきではない。一方、互いに軍事力を誇示し続け、エスカレートした先に待っているものは何だろうか
▼「先に武器を置く」と記した上原さんの詩は、自らが誹謗(ひぼう)中傷を受けて悩んだ時、沖縄戦を体験した世代の女性が平和を願う言葉に触れ、浮かんだという。戦禍を繰り返さないためにどうすべきか。日々のニュースに触れる中でも考えを深めたい。