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骨汁。その響きに観光客などは「えっ」となるのだろう。中部は「骨汁激戦区」。おいしい骨汁を出す食堂が多く、「骨汁巡り」が中部支社勤務の楽しみだ
▼豚あばら骨の間に付いた肉にかぶりつくあの料理は、上品な食べ方とは無縁。おしぼりで指を拭いながら、両手で骨をつかんで食べるのが流儀だ
▼なぜ肉付きの骨かと言えば、だし骨としても活用しているから。そのため「骨汁がある店の沖縄そばはスープがうまい」という謎の言い伝えもある
▼その骨汁が看板メニューだった北谷町の「がじまる食堂」が6月に閉店した。最初に話を聞いたのは沖縄市にある「和泉食堂」の店主から。店主はライバル食堂が減って喜んでいるのかと思いきや「手間暇かけてスープを取る店がまた減った。自分も通ったのに」と落ち込んでいた
▼味へのこだわりは競合関係を超え、魂でつながることもあるのか。食材費や燃料費の高騰など生活者の味方でもある食堂には逆風が吹く。豊かな食堂文化の証しでもある「骨汁激戦区」の魅力をもっと知ってもらいたい。