<金口木舌>「好き」を探求に


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 「詰め込み教育」の見直しが言われて久しいが、人は好きな物事はどんどん吸収し、脳に詰め込むスペースを自ら広げるようだ。特に子どもたちは発想や方向性も自由で面白い

▼中城村立中城南小学校5年の比嘉勇瀬(はやせ)さんは恐竜と歴史が大好き。そこで二つを掛け合わせたオリジナルの漫画キャラクター「武将ザウルス」を生み出した。キャラ設定のこだわりも相まって大人も舌を巻いている
▼登場するキャラは歴史上の人物と恐竜の特徴や気質を反映している。ちなみに地元の英雄である護佐丸は体力と知力を兼ね備えた肉食恐竜アロサウルスの武将だ
▼比嘉さんが歴史に興味を抱いたきっかけは、琉球の歴史を学ぶ村独自の教育課程「中城ごさまる科」を受けたこと。興味が止まらない比嘉さんは学校を飛び出し、村教委にも調査に行った。「汝(なんじ)の足下を掘れ、そこに泉湧く」。今後は舜天や尚巴志を描いた長編作品にも挑みたいそうだ
▼コンピューターやAIの普及で人間ならではの知力が求められる時代。学び、掘り下げ、創造する個性を見守りたい。