<金口木舌>遠隔時代の気付き


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 学生の頃、初めて携帯電話を使ったときの感動を覚えている。屋外での通信手段は公衆電話やポケットベルが主流だった。小さな機器で相手と話せることに驚いた

▼今では、パソコンやスマートフォンがあれば簡単に誰かとつながれる。コロナ下では遠隔の業務や授業が広がった。大手通信会社はテレワークを原則として全国どこでも働けるようにした
▼スタディプラストレンド研究所の調査によると、オンライン授業を経験した学生らは通学時間がかからないことなどに利点を感じたようだ。一方で画面越しに質問しづらいことや、人間関係を築きにくいことに不満を覚えている
▼県内ではさまざまな行事をオンラインで配信した。遠くにいても会場の雰囲気を味わえたはずだ。しかし多くの人と触れあえる「リアル」での参加に比べると、どこか物足りなさもある
▼相手と直接会うことで心の距離は一気に近づく。便利な時代に改めてそれを実感する。誰もが心置きなく交流できる日常に戻るためには、感染防止策の徹底が何よりの近道だろう。