<金口木舌>地方アスリートの躍進


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 サッカー日本一を決める天皇杯全日本選手権でJ2の甲府が頂点に立った。対戦したのはJ1の強豪チーム。格上の相手を次々と破って栄冠をつかみ取った

▼甲府の選手たちは、祭りへの協力など地域に密着した活動を続ける。ファンは選手を身近に感じ全力で応援しようと思うはずだ。地域の声援を力に変えられるのは、地方球団の強みと言える
▼20日のプロ野球ドラフト会議で沖縄大の仲地礼亜投手が中日から1位指名を受けた。県内大学で初めての快挙だ。生まれ育った沖縄で野球を続け、大学や家族の支援を受けながら夢を実現した
▼仲地投手は「沖縄にいて良かった」と言う。県内でも確実に成長できてプロ入りを果たせることを証明した。沖縄の球児に新たな可能性と、幅広い選択肢があることを示した
▼周囲の応援を肌で感じて伸び伸びと競技に打ち込めるのは、地方に拠点を置くことの魅力の一つ。地域の後押しは選手の心に届き躍進の原動力になる。沖縄で才能を開花させ、全国や世界に羽ばたく選手が今後も誕生してほしい。