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ニュースを見ながら胸が苦しくなった。韓国・ソウルの梨泰院で発生した雑踏事故で156人の尊い命が失われた
▼「人災」という指摘がある。3年ぶりに新型コロナウイルスによる行動規制がない中でハロウィーンを迎え、梨泰院を舞台とした人気ドラマの影響もあり、多くの人出が予想されていた。しかし、行政や警察は一方通行の道を設定するなどの対策を取らず、惨禍を防げなかった
▼公開された当日の緊急通報は、悲痛な叫びであふれている。事故発生の3時間半前には既に「圧死しそうだ」と危機を訴える一報があった
▼日本でも、2001年に兵庫県明石市で花火大会の見物客が歩道橋で折り重なるように転倒し、11人が死亡した。1956年には新潟県の神社で餅まきの神事に人々が殺到し、124人が死亡した。決して対岸の火事ではない
▼防げた事故だったと考えると、痛ましい気持ちになる。危機が現実になる前の段階で対処することが何よりも重要だ。「最悪の想定は起こり得る」という鉄則を常に忘れないでいたい。