<金口木舌>重視すべき価値


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 10月に開幕した米プロバスケットボールNBA。5季目の渡辺雄太選手はスターぞろいのブルックリン・ネッツで存在感を強めてきている

▼スターの一人、カイリー・アービング選手が反ユダヤ的とされる映画のリンクをSNSに投稿し物議を醸した。同じ頃、米人気ラッパーのカニエ・ウェストさんは人種差別反対運動「ブラック・ライブズ・マター」を「詐欺」などと主張し、大きな波紋を呼んだ
▼「身内」のヘイトスピーチに企業などは敏感に反応した。NBAは公式ツイッターで「ヘイトスピーチはどんな種類でも容認されない」と指摘。ウェストさんと協業していたアディダスやギャップは契約を解消した
▼本来、スポーツも音楽も「違い」を乗り越えて同じ時を分かち合えるもの。それが多くの人を引き付ける。ヘイトにノーを突きつける周囲の反応が共通するのは納得できる
▼日本、沖縄ではどうか。知らぬ存ぜぬを決め込んでいないか。外に目を向ければ、多様性や自由、人権が重視されるのは歴然。その価値が見いだされることを切に願う。