<金口木舌>泡盛が世界の架け橋に


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 地図上で沖縄を中心に円を描くと香港やマニラ、ソウルなどアジアの主要都市を囲い込める。地理的な優位性を生かし、琉球王国の人々は海を渡り、アジア各国と交易をして発展した

▼その時代にタイ(シャム)から伝わったとされるのが泡盛だ。沖縄戦など多くの困難を乗り越えて現在に伝わる。今では多彩な銘柄がそろい、世界に誇る沖縄文化の一つとなった
▼首脳会議に参加する岸田文雄首相が、タイのプラユット首相に泡盛を寄贈する方向で調整中だ。泡盛の原料にはタイ米が使われていて沖縄と関わりが深い。泡盛をきっかけに日本とタイの友好が深まってほしい
▼泡盛はアジアに限らず欧米にも輸出される。海外で高く評価される銘柄もあって今後の飛躍が期待できる。県内では出荷量の減少が続いて厳しい状況にある。県民も改めて泡盛の魅力に目を向けたい
▼琉球は交易でアジア各国をつないだ。今後は泡盛が交流促進のツールになれば面白い。泡盛が沖縄と日本、世界を結ぶ懸け橋となる。そんな未来が訪れることを夢見ている。