<金口木舌>困ったら比嘉さん


社会
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 スポーツで勝利するには勝負どころで力を発揮し、いかに試合の流れをつかむかが鍵となる。今季、プロ野球の日本一に輝いたオリックスは試合のヤマ場で登板する中継ぎ投手が奮闘し、流れを引き寄せた

▼県出身の比嘉幹貴投手も中継ぎで大きく貢献した。日本シリーズ7試合中5試合に投げて無失点。右サイドスローの独特なフォームから緩急自在の投球を披露し、ピンチの場面で相手打線を抑えた
▼活躍が話題となり、ツイッターでは「比嘉さん」がトレンド入り。「困ったら比嘉さん」「見事な火消し」などのつぶやきも投稿され、見事にファンの期待に応えた
▼先発投手や抑えに比べ、脚光が当たる機会は少ないが、自らの役割をしっかりとこなしてきたベテラン。2015年には右肩を手術し数年は本来の投球ができず、チームの長い低迷期も経験した。喜びは格別だろう
▼苦境を越え、派手さはなくても自らの役割に集中する姿勢はどの仕事でも大切で、多くの人々の励みになる。12月で40歳。チーム最年長となる見通しの来季も注目したい。