<金口木舌>課題解決の先進地に


社会
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 発達が気になる子を多面的に支援する「うるまこどもステーション」がうるま市喜屋武に開所した。市や民間が運営する児童館、クリニック、通園施設、児童発達支援センターなどが共に入居する全国でも珍しい試みだ

▼発達の度合いは個人差がある。簡単に「普通」や「障がい」とは言えない。関係機関がそれぞれ課題を見付け、必要な支援をつなぐ
▼共同事業者の遠藤尚宏さんは18年の医師生活で発達の問題は「診察室だけでは解決できない」と考えるようになった。生まれつきの特性に加え、身体的、精神的ストレスも発達と行動に影響し、親の生活環境も切り離せない
▼全国下位の所得やひとり親家庭の多さなど沖縄の子育て環境は厳しい。遠藤さん自身、ひとり親家庭で育ち、生活安定への思いは強い。筆者もひとり親の経験があるが、重圧の大きさは忘れられない
▼うるま市は所得や家庭環境が県内でも厳しい。「地域や行政がどう支えられるかが重要」と遠藤さん。課題を抱える地域から包括的な支援で先進地を目指す挑戦を応援したい。