<金口木舌>国家に強制されることなく


社会
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 世界人口が推計80億人を突破した。国連の発表によると、今後も増加し、2080年代にはピークの約104億人に達し、2100年までその水準を維持する予想だ

▼人口が増加している地域はアジア、アフリカで、その大部分は低所得国に集中。飢餓や貧困、十分な教育や医療・福祉が受けられないといった影響が懸念される
▼他方、世界人口の増加ペースは既に鈍化傾向だ。南ヨーロッパ、日本を含む東アジアは人口減少に転じている。沖縄は国内では例外的に人口が増えていたが既に減少の兆し
▼経済や社会保障などに影響するため、いずれの国も出生率に敏感で、政策にも反映される。だが国連人口基金はこのような対応は「時に強制的」で、性と生殖に関する健康と権利といった「人権を侵害する可能性がある」と警鐘を鳴らす
▼子どもを産む権利、産まない権利は、日本の憲法13条の幸福追求権にも含まれると解釈される。日本、沖縄においても、強制されることなく、私たち一人一人の健康や権利を尊重した政策が実現することに期待する。