<金口木舌>「サイレント」と記者必須アプリ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 病気で耳が不自由になったかつての恋人と健常者の主人公の恋愛を描いたフジテレビ系ドラマ「サイレント」が見逃し無料配信で民放ドラマ最多の再生数となるなど、注目を集めている

▼ドラマで健常者と聴覚障がい者のコミュニケーションツールの一つとして登場するのが、音声認識によって会話をリアルタイムで文字化してくれる「UDトーク」というアプリだ
▼開発者の青木秀仁さんが聴覚や視覚に障がいがある人向けの講演会で「伝わらない」という経験をしたことが開発のきっかけ。障がい者やその周囲の人が抱える課題の解決のため生まれた
▼会話のユニバーサルデザインを目指すアプリは聴覚障がい者と健常者のコミュニケーションを容易にしただけでなく、今では会議の議事録作成などでも使われている。会見やインタビューの文字おこしが必要な記者にも必須アプリだ
▼できないことや弱さは時にマイナスに捉えられるがそうではない。困りごとにこそイノベーションを生み出し、あらゆる人が生きやすくなる社会の伸びしろがある。