<金口木舌>米軍の汚れは米軍が大掃除を


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 「今年の汚れ、今年のうちに」というリズムのCMが頭の中をぐるぐる巡る。だが師走で公私とも多用で原稿もたまりがち。まだ年末の大掃除ができず、ますます焦るばかり

▼年内に問題閣僚らの同時更迭に踏み切った首相も、あのリズムを口ずさんだのだろうか。自宅の汚れなら世間に迷惑はかけないが、そうはいかないこともある
▼有機フッ素化合物PFOSの汚染源として米軍嘉手納基地が指摘されている問題。嘉手納基地と沖縄防衛局、県の意見交換で米軍が基地内の汚染浄化を「経済的でない」と拒んだ
▼ある組織の行為で他者に公害などが及ぶことを「外部不経済」という。住民の医療費増大や健康寿命短縮による逸失利益が生じれば、外部不経済そのもの。「経済的でない」は県民のせりふだ
▼外部不経済の解決策の一つに「内部化」があるという。この場合は汚染の浄化費用を米軍に負担させることだろう。「米軍の汚れ、米軍の内に」と基地の入り口にスピーカーを置いて流せば、彼らの頭にもぐるぐる巡って考えを改めるだろうか。