<金口木舌>施設は終わっても


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 月に1度、仮装を楽しみながら続けてきた地域のごみ拾い活動もこの日で終わり。宜野湾市普天間の精神障がい者地域活動支援センター「はぴわん」の利用者たちが「最後の清掃」をしたのは先週だった

▼市の委託で運営してきたはぴわんは8年弱にわたり精神障がいのある人たちの生活の場だった。下校時間にごみ拾いをしながら児童と言葉を交わしたり、こども食堂を開いたり、利用者と地域の交流も模索してきた
▼施設長で精神保健福祉士の兼浜克弥さんの夢は「地域活動支援センターの発展的解消」という。精神障がいのある人の活動拠点がなくても、地域の中に居場所があれば、必要なくなることが理由だ
▼今月末ではぴわんを閉じる兼浜さんは、活動の場を公民館などに変え、地域住民と精神障がい者が関わる取り組みを始める。物事が終わり、始まる春。新たな挑戦に飛び込む
▼仮装した利用者のごみ拾いを見て、小学生が楽しそうに話し掛けていた。手伝いを申し出る子もいた。地域の中で支え合い、共に生きる光景は続いていくはずだ。