<金口木舌>ランドセルの日


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 3月21日を分解すると「3」「2」「1」。その数字を全て足すと小学校の就学年数の6年になることから、きょうは「ランドセルの日」とされる

▼歴史は幕末にさかのぼる。軍隊で使うため、江戸幕府が布製の背のうを輸入した。「背負って使うかばん」を意味するオランダ語「ransel」(ランセル)が語源。箱形のランドセルは日本独自という
▼高級品というイメージがある。価格は4万円から7万円。入学時にランドセルを用意する保護者にはちょっとした出費である
▼昨年6月、格安のランドセルが話題になった。金武町立中川小学校がオンラインで交流した福井県勝山市の北郷小学校が紹介した福井県教育用品ランドセルだ。価格は8630円。「安い」という驚きの声が上がった
▼孫に入学祝いに贈る祖父母もいよう。名護市母子寡婦福祉会などは毎年、複数世帯に贈っている。兄や姉が使ったおさがりのランドセルを背負う新入生もいる。一個のランドセルにそれぞれの思いがこもる。もうすぐ4月、新入生の春がやってくる。