<金口木舌>駅伝が結ぶ深い縁


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 コロナ禍を経て、4年ぶりに開催された「やんばる駅伝」は17日の伊平屋島大会で30回の節目を迎えた。「エッサ、ホイサ」と掛け声が島に響き、選手らは雨をついて力走した

▼1991年に「国頭郡えきでん競走」として、北部11町村でスタート。第1回大会の舞台も伊平屋村で、今大会の発着点となった「友愛と健康の広場」の落成記念も兼ねていた
▼第6回で名護市が加わり「やんばる駅伝」と名称を変更。現在は伊平屋、伊是名、伊江、与論(鹿児島県)が持ち回りで開催する。数百人が来県する大会に「島興し」の期待は大きい
▼唯一の30回連続出場は大宜味村の大城武さん(64)。今大会で引退も考えたが、タイムが伸びず、次回でリベンジを誓う。ある選手は「長距離好きの仲間と走れて楽しかった」と充実した表情を浮かべた
▼第1回から大会の合言葉は「やんばるは一つ」。次の開催地は与論町で、閉会式では「奄美も一つだ」との声も。伊平屋島の温かな歓迎もあった。懇親会で各チームが交流する姿にも、島々の深い縁(えにし)を感じさせた。