<金口木舌>やんばるナポリタンの可能性


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 戦後間もなく、横浜市の老舗ホテルが考案したとされるナポリタン。使われる具材はさまざまだが「トマトケチャップで味付けし、炒めた日本独自のスパゲティ料理」と日本ナポリタン学会は定める

▼学会の結成は2009年、なじみの深い食べものから地域を活性化させようと市民が集った。会長のほか、一番食している「主任研究員」もいる
▼認定店舗や推奨する商品の数々を紹介してきた。食品メーカーとのコラボ商品まで発売されるなど、会員らのナポリタン愛は、地域の産業を着実に広げることにつながっている
▼7日に発足したのは、同学会やんばる支部。NHKの連ドラ「ちむどんどん」から着想し「やんばるナポリタン」を名物にしようと取り組む。ナポリタン用沖縄そば、県産トマトケチャップ―。店頭に並ぶ日がくるのかもしれない
▼横浜に多くの県人が移住した。連ドラの舞台の一つ鶴見区は移住者が多く、「リトル沖縄」とも呼ばれる。ナポリタンによる食文化の融合は、沖縄と横浜の深い絆を体現しているようにも思える。