<金口木舌>ジーマーミはピーナツ


<金口木舌>ジーマーミはピーナツ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 「ジーマーミ豆腐」を食べて急性アレルギーになり、救急搬送される観光客が増えている。原料の「ジーマーミ」がピーナツ(落花生)であることを知らず、豆腐だと思って食べた人が病院に運び込まれている

▼コロナ禍前に観光客が右肩上がりで増えていた頃も社会問題化した。消費者庁によると、ピーナツはアレルギー原因物質の上位5位に入る。那覇市立病院の新垣洋平医師が過去に観光客の受診者を対象に実施した調査では27%で首位だった。神経を使うべき食べ物だ
▼沖縄の言葉だからこそ「地の物」の魅力がある。県民にはなじみの味だし、観光客には「ご当地グルメ」の一種だ。だがアレルギーを持つ人が意味を知らずに食べて命の危険に遭えば、旅の思い出も浮かばれない
▼公共交通機関などでは表示の多言語化も進んだ。コロナ禍を経て観光客が再び増える今、言語のバリアフリー化を進めたい
▼「ジーマーミ豆腐」の響きは守りたい。日本語や外国語で併記すれば親切だ。観光地の価値を高めつつ、慣れ親しんだ呼称も守っていける。