<金口木舌>困難を断ち切る「タイム」


<金口木舌>困難を断ち切る「タイム」
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 多くのスポーツには、試合を一時的に止める「タイム」がある。思うようなプレーができない時や、目指す結果が出せない場合に「タイム」をかける。悪い流れを切ることで状況を改善できる

▼効果的に「タイム」を使うには客観的な視点が不可欠だ。試合の渦中にいる選手は苦境に気づかないこともある。監督など第三者が現状を的確に把握し、難局から抜け出す手助けをする必要がある

▼スポーツ以外でも困難な状況を変える取り組みがある。県が実施する「無料塾」もその一つ。次世代への貧困の連鎖を防ぐため、経済的に厳しい家庭の子どもが塾に通うことを支援する

▼無料塾利用者の大学などの合格率は10年連続で80%を超える。夢に向かって突き進むことで「貧困」という苦しい状況を変えられる。意義深い取り組みだが、まだまだ周知が不十分という

▼子どもたちが経済的な理由で夢を諦めてほしくはない。苦境にいる子どもはいないか、的確に状況を把握する必要がある。貧困の連鎖を止める「タイム」をかけるのは大人の役割だ。