<金口木舌>「買われた」少女たちの背景


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 日本のトップアイドルAKB48。ファン投票でステージの立ち位置が決まったり、高得点を目指し自分に磨きをかけたりと、仕事とはいえ厳しい世界だなと感じる

▼投票権付きCDを販売し、自分のイチ押しの子に多く投票すべく、複数枚CDを購入するファンもいる。有料のメールサービスを展開し、アイドルを「商品」に新たなビジネスモデルを確立していることが垣間見える
▼アイドルを商品化することは、今に始まったことではない。しかし一般の高校生を「商品化」し、「お散歩」という名で男性相手に接客させる「JK(女子高生)ビジネス」は、未成年の健全な成長を阻み、彼女たちが犯罪に巻き込まれる恐れもある
▼家にも学校にも居場所がなく、夜の街をさまよう女の子たちを支援している団体「コラボ」代表の仁藤夢乃さんは「女の子たちを搾取しようとする雇う側、買う側の大人への対処が必要」と指摘する。彼女たちを補導するだけでは問題解決にはならない
▼彼女たちはどんな思いなのか。宜野湾市で開かれた、そんな少女たちの写真展「私たちは『買われた』展」では貧困、暴力、孤立などと隣り合わせで暮らし、どうにか生き延びてきた子たちがいた
▼背景を知れば「お金欲しさでしょ」と安易な自己責任論では責められない。同様の境遇で暮らす沖縄の子どもたちに、何ができるか考えさせられる。