<金口木舌>こども記者の空手体験


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 学校により若干日は違えど、夏休みも残りわずか。子どもたちは宿題の最後の追い込みの日々か。自由研究は、保護者にとっても悩みの種である

▼小学生の子を持つ親への調査で、約7割が自由研究に協力し、ほぼ同じ割合で負担感を覚えている(4日付本紙)。自由は逆に、題材選びの悩みとなるようだ。一方で、子どもの興味や関心を引き出すチャンスでもある
▼先日、浦添市で親子楽器作りの夏休みイベントがあった。参加者は紙やプラスチックを使い、オリジナル作品作りに没頭した。本物の楽器にも触れ、その表情から音楽の面白さが心に響いたようだった
▼毎年、本社が夏休みに行うこども記者体験も、貴重な経験になる。今年も49人の小学5、6年生が挑戦した。その中に全くの競技未経験ながら沖縄空手の取材を希望した男子がいた
▼取材は、形の第一人者として世界でも戦った豊見城あずささんの道場だった。小学生から70代までが鍛錬する姿に、勝敗だけではない学びを実感し「空手は心も鍛える競技なんだ」と刺激を受けた
▼豊見城さんに聞くと、こども記者の取材は2度目。10年ほど前に来た児童はその後、豊見城さんの道場に通い、大学生の今も空手を続ける。一つの挑戦が出会いを生み、新たな発見や目標となることもある。難題の自由研究も成長の一つと考えれば、親子の負担感も少しは和らごう。