<金口木舌>子どもの夢を育む工夫


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 キャッチボールもぎこちない子どももいれば、鋭い打球で関係者を驚かせる子どももそろう。8月27日に県大会を終えた第2回島田杯第2回かりゆしグループ旗争奪県学童軟式野球大会のことだ

▼大会の特徴は小学4年以下が対象ということ。通常はメンバー入りが難しい選手にも経験を積ませ、野球の魅力を伝える。4年以下で地区大会から県大会まで開催される大会は県内で例がない
▼本番を通し、競技力向上を図るのはもちろんだが、競技人口が減少傾向にある現状も開催の背景にある。少子化に加え、競技の多様化もあり、都市部でもチームそのものがなくなるケースも出ているという
▼経験が少ない子どもにも大会の場を与え、競技継続の励みにしてほしい、という思いは対象学年以外にも表れる。混合チームでも参加可能としている点で、より多くにチャンスが与えられる
▼大会2連覇を飾った根差部ベースナイン監督の金城敬さんは「求めていた大会」と話す。真剣勝負から得られる自信とやる気がプレー一つ一つに見られ、経験の意義を選手から教えられるそうだ
▼群馬県では2年前に少年野球の指導者へライセンス制度を導入した。指導の質を高めることで、野球人口減を抑える狙いがある。経験の提供や指導者の意識改革など、子どもたちの夢を育む工夫は競技を問わず大人の大切な役割となる。