<金口木舌>自然界に異変?猛暑だった8月


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 自宅のベランダに差し込む太陽と影の位置が、同じ時間帯でも日に日に変わる様子を目の当たりにすると、季節の移り変わりを感じる。9月に入り、心なしか朝は涼しく感じるようになった

▼8月、沖縄地方は暑い夏となった。平均気温は平年より1・4度高く、1946年の統計開始以来、8月としては過去最高を記録。通り雨も少なく、降水量は平年比19%にとどまった。35度以上の猛暑日を複数の地点で観測した
▼振り返れば、沖縄にあまり飛来しないコアホウホドリが名護と北谷で保護された。東南アジアに生息し、本島では報告事例のないナンヨウショウビンが那覇市と豊見城市にまたがる漫湖で初確認された
▼例年1500匹近いウミガメがふ化する大宜味村の砂浜で、今年ふ化が確認できたのは9匹。暑さが原因とみられている。国場川ではボラやテラピアなどの魚が50匹ほど死骸で浮いていたのは8月上旬だった
▼各地で例年にない異変が報告されている。当方が今年感じた異変は、真夜中のセミの鳴き声だった。夜勤を終えて帰宅するのはだいたい深夜2時ごろ。7月下旬から8月上旬にかけて、昼間同様のセミの大合唱に連日包まれた
▼きょう3日は旧盆入りのウンケー。地域によっては暑さも自然界の異変も吹き飛ばす、エイサーの道ジュネーが行われる。夏の風物詩を通して、季節を感じる時期でもある。