<金口木舌>努力重ね さらなる高みへ


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 また1人、世界の舞台で県出身選手が躍動した。女子バスケットボールの安間志織さんがその人。8月末まで台北であったユニバーシアード大会で、50年ぶりに過去最高位に並ぶ銀メダルを獲得した日本をけん引した

▼ポジションはガード。161センチとチームで最も小柄ながら、攻撃の起点となった。決勝の豪州戦はチーム2位の14得点を決め、アシストはチーム1位の八つ。相手にとってはさぞや、嫌な存在だっただろう
▼中学時代に全国レベルで頭角を現し始めた。2009年夏、北谷中が県勢女子で初となる全国制覇を飾った際の中心選手で、中村学園女子高(福岡)では1年でレギュラーとなり、美ら島総体でチームを準優勝に導いた
▼拓殖大進学後も関東1部のアシスト王となるなど、パスセンスや速さのあるドリブルは特筆される。勝利に欠かせない選手だが、それだけに自身にも厳しい一面もある
▼中学時代、全国一の快挙の際、「まだまだ反省は多い」と満足せず、今回のユニバーシアード準決勝の勝利後も「もう少し良いパスが出せれば」と自らに課題を課した。高い向上心は今も変わらず、成長を支える
▼今年、トヨタ自動車に入団した。国内女子Wリーグは10月7日に開幕する。次はフルの日本代表とその先の東京五輪を掲げる。努力の積み重ねが、目標への階段を上っていくことを23歳の若者が示している。