<金口木舌>対米自立精神の枯渇

 7年越しに会った2人の会話は、今の日本の針路を示す羅針盤のように思えた。「なぜ県外移設ができなかったのか」。「(官僚らは)面従腹背だった。米国の言うことを聞く官僚が出世する仕組みだからだ」

▼7年前、普天間第二小児童らの手紙を手渡した同小元教員の下地律子さんの問いと、鳩山由紀夫元首相の答えだ。鳩山氏は首相時代、米軍普天間飛行場の移設は「最低でも県外」と公約したが、辺野古移設に転じた
▼鳩山氏は外務・防衛両省とも、米側官僚と“結託”して公約をつぶす動きをしたことを告白する。官僚だけでなく、今の自民、民進両党とも大方「対米追従路線」であることを嘆く
▼日米同盟強化によって日本の大国化を目指す親米保守路線にとって「沖縄基地問題は恥部だ」とも言う。「従属国家の現実が沖縄では可視化されている」
▼緊急着陸を繰り返したオスプレイが、原因究明までの飛行停止を求めた県民の要求を無視し、大分から普天間に戻った。翁長雄志知事は先月の県民大会で、豪州墜落後のオスプレイ飛行強行に触れ「日本の独立は神話だ」と断じた
▼米軍基地を巡り、沖縄では負担感が増す一方、本土では「守られている」との“甘え”が強い。北朝鮮情勢の緊張は、その溝を一層深めている。対米自立精神の枯渇や解決力のない外交-。沖縄の叫びは、日本の針路への警鐘でもある。