<金口木舌>沖縄の「喜びの日」


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 熱気と感動のうちに幕を閉じた昨年10月の第6回世界のウチナーンチュ大会。海外からの参加者は27カ国から史上最多の7353人に上った

▼閉会式では、大会が終了した10月30日を「世界のウチナーンチュの日」に制定することが宣言された。働き掛けたのがアルゼンチン出身の県系2世比嘉アンドレスさん(42)と、ペルー出身の県系3世伊佐正アンドレスさん(27)だ
▼「国内外のウチナーンチュが心を一つにできる日。家族でお祝いする日にしたい」と話す2人。制定からもうすぐ1年を迎え、認知度を上げていきたいと奔走している
▼2人の地元名護市は、役所入り口に残暦板を設置した。名護発の記念日当日へ向け、雰囲気を盛り上げようと意気込む。県や海外の県系人と連携しながら祝賀会の様子をネット配信するなど、さまざまな催しを計画している
▼2人の胸には、いま新たな目標がある。「この日を『慰霊の日』のような沖縄の公休日にしたい」と伊佐さん。比嘉さんは「悲しい日ではなく、沖縄の皆がハッピーになれるうれしい日がやっとできた」とうなずく
▼見据える先はウチナーンチュの枠にとどまらない。「沖縄が好きな人、外国の観光客も巻き込みたい」と口をそろえる。国境や文化を超え、多くの人を結ぶ「喜びの日」になればと夢を語る言葉は、熱く力強い。