<金口木舌>「名義貸し」被害対策に教育を


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 コンビニや給油所、スーパーなどで買い物する時、たいてい「ポイントカードをお持ちですか」と聞かれる。ポイントが後日割引につながり、ポイントカードはお得感がある

▼ポイントで割引を受ける代わりに、自分がいつどこで何を買ったか個人情報が流通機関に伝わる。ビッグデータとして蓄積され、どう活用されているか分かりづらい
▼ポイントカードの仕組みなど、知らなくても困らないが、知ってて損はない情報がある。学校では習わない社会の仕組みを、どこかで学ぶことはできないか。そう感じたきっかけは20代の若者が「名義貸し」でローン債務に陥っている報道だ
▼「名義貸し」とは、自分の名前でローンやキャッシングのカードの契約をし、現金やカードを第三者に渡すこと。第三者が返済できなくなり、ローン返済に追われる人が増えている。「金を預ければ報酬がもらえる」などと話を持ち掛けられたという
▼この話を聞いた時「こんな手口にだまされる人がいるのか」と、半信半疑だった。それが500人もの被害者がいるというから驚きだ。中には奨学金の返済と二重の借金を背負う人もいるという
▼社会人になる前に知ってほしいことがある。「名義貸し」が違法行為であること、契約者自身に返済義務が生じること-。知識があれば被害は防げる。消費者教育にも力を、である。