<金口木舌>いつまでも夢の舞台へ


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 野球だけではない。「甲子園」は俳句、写真、まんがなど高校生のさまざまな全国大会の名称に付く。青春の一ページを彩る憧れの大会として使われている

▼「マスターズ甲子園」をご存じだろうか。年を重ねた元高校球児が出身高校別に世代を超えてチームを組んで各地区で代表を目指して戦い、甲子園球場で全国の仲間たちとプレーする
▼2004年から始まり、沖縄からは09年に県選抜が初出場した。11日に開幕する第14回大会には、浦添商業高校OBが県代表として初出場する。高校時代に甲子園を経験した選手もいるが、多くが初のひのき舞台になる
▼出場する山川成彦さん(44)に聞くと「『夢を再び』の気持ち。子どもたちにも父親たちの元気を見せ、周囲も一緒に楽しみたい」と本番を心待ちにする。ベンチ入りは50人、それぞれ白球を追った日々をきっと思い返すことだろう
▼お父さんたちばかりではない。県パワーリフティング界には全国トップのお母さん選手がいる。照屋利恵さん(42)は、これまで全日本大会を8度制覇。日本新記録を幾度も更新し、今も保持する
▼けがの多い競技で練習も厳しい。だが、小学5年の息子ら家族の支援を励みに大会に挑み続ける。それぞれが活力に満ちることは、家庭にとどまらず社会の活性化にもつながる。目標に年齢制限はない。夢を描く人を応援できる社会でありたい。