<金口木舌>障がい者への理解を目指した活動


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 200を超える世界記録、40億人がテレビ観戦…。昨年夏のリオ・パラリンピックは幾つもの過去最多が生まれた。競技力だけでなく、発信力とそれに伴う関心度の向上で障がい者スポーツの新時代を告げた

▼2020年東京パラリンピックはバドミントンなどが新採用となり、22競技537種目が実施され、4400人の参加が見込まれる。いずれも史上最多だ。共生社会のさらなる広がりを世界へ示したい
▼スポーツを主体にした周知活動が全国的に盛んになっている。県内でも障がい者への理解を目指した広報活動「ココロつながるプロジェクト」が2年前から始まった
▼これまで福祉関係者が担ったものを、現役選手が担当する機会が増えたことが特筆される。選手がマイクを握り競技などについて説明し、訪れた人と触れ合う。その結果、競技や障がいへの理解が目に見えて広がっている
▼「選手が表に出ることは、垣根をなくすきっかけになる」。プロジェクトに携わり、ボッチャ競技の指導員でもある沖縄ボッチャクラブ代表の藤井康司さんは、さまざまな人たちと選手が交流する意義を強調する
▼県内に住む日本代表や全国トップ級の選手が登場するイベントが23日、イオンモール沖縄ライカムである。障がいの程度によって努力や取り組み方はさまざま。選手との出会いの中から支え合う社会が見える。