<金口木舌>市町村のファンを広げる

 幼いころ、熱発すると豚レバーのチムシンジ汁が出ることがあった。おそらくは普段より多めのかつお節で取っただしには、レバーのエキスが染み込んでいるようで、食欲がなくても進んだ

▼この汁の具には黄色いニンジンが欠かせない。食べ慣れると独特の滋味が癖になる。今でもシンジムンを呼ばれることがあると、おわんの中に黄色を探していることがある
▼チデークニと呼ばれる黄色いニンジン。出荷量で県内の6、7割を占める一大産地が中城村だ。王府時代は世子領だった肥沃(ひよく)な土地が、栄養たっぷりの島野菜を実らせる。その中城の魅力を発信する新報移動編集局が始まった
▼地域への新たな関わり方として「関係人口」という考え方が注目されている。短期的な「交流」と長期的な「定住」の間。住みはしなくとも、地域に関わり、貢献したいと考える人たちを指す
▼ローカルジャーナリストの田中輝美さんの新刊「関係人口をつくる」に詳しい。面白いのは関係する地域は複数持つことができ、移住を目的としないこと。特産品を購入するだけでも、その地域の関係人口と言えるようだ
▼移動編集局は19日まで、主に紙面を通じて中城を取り上げる。18、19の両日は中城城跡でプロジェクションマッピングも開催される。関わり方はそれぞれで良い。これを機会に中城ファン、中城の関係人口になってみませんか。