<金口木舌>「インスタ映え」で年の瀬を


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 12月も半ばにさしかかり、いよいよ今年1年を振り返る時節になった。話題になった言葉に贈られる年末恒例の流行語大賞の年間大賞には「忖度(そんたく)」と「インスタ映え」が選ばれた

▼「忖」の文字は常用漢字外。新聞の表記ではルビを振る。取っ付きにくい言葉がはやったのは、森友、加計学園問題のおかげであった。首相官邸の意向をおもんぱかる省庁の役人の態度を指している
▼国家益、あるいは省庁益の確保のためか。首相の顔色をうかがう役人の忖度は国民益に反することもある。沖縄では新味のある話ではない。米国の顔色をうかがう「忖度外交」を幾度も見てきた
▼SNSに疎い世代には、インスタ映えはなじみが薄い言葉だろうか。写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿した写真の見栄えが良いことを指す。おしゃれな雑誌に載るようなカラフルな写真が映えるという。これもネットで拾った解説だ
▼そんな写真が頻繁に新聞紙面を飾っていれば、明るい1年だったと振り返ることができた。残念ながら気が沈んだり、心配になったり、怒りを呼び起こすような写真を載せなければならない日が多かった
▼「フェイクニュース」も今年の流行語であった。沖縄を悩ませている難題の一つだ。今年もあと2週間余を残すのみ。来年に希望をつなげるような明るいニュースに触れてみたい。カラフルな写真と共に。