<金口木舌>スポーツと観光力の融合


この記事を書いた人 琉球新報社

 2023年9月、バスケットの強豪32カ国のうち8カ国が沖縄市に集う。ワールドカップ(W杯)の日本での開催は06年以来2回目。前回は日本単独開催で、会場は複数地域にまたがった。今回、国内は沖縄市のみ。今から心が躍る

▼フィリピン、インドネシアと日本が共同開催する。複数国での開催は初。いずれも島国で、バスケ熱だけでなく、文化や自然の豊かさ、ホスピタリティーなども選定要因になった
▼会場もまだ完成していない中、沖縄市だけを国内候補地とした日本協会の期待の大きさが見える。協会に聞くと、沖縄市はアリーナを拠点とした地域活動発信のモデルケースになり得るという
▼W杯国内開催にはもう一つ意義がある。24年パリ五輪の予選も兼ね、東京五輪だけでなく、その後の日本バスケの飛躍をかけた国際大会として位置付けられている。沖縄市がその起点となる。県を挙げて成功させたい
▼琉球ゴールデンキングスのホーム戦の観客は10年前、900人ほどの日もあったという。今では1試合3500人を超え、立ち見も出る。沖縄市の1万人アリーナ構想はそんな歴史の中から生まれた
▼バスケのW杯は年齢制限のない正真正銘のその国を代表する選手同士のぶつかり合いだ。真剣勝負の舞台は、スポーツと観光で培った力が融合した「OKINAWA」がさらに、世界に羽ばたくチャンスになる。