<金口木舌>さらなる無敗神話へ


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 スポーツの世界では自分に試練を課すことで、競技にひたむきに向き合う選手がいる。ボクシングWBC世界フライ級王者の比嘉大吾選手(白井・具志堅スポーツ)もその一人

▼浦添市の仲西中からボクシングを学ぶため、宮古工業高校に進学。プロデビュー後は師匠の具志堅用高さんと同じ21歳での世界タイトル奪取を公言し実現。15連続KO勝ちの日本記録と並ぶ次戦を来年2月4日、県立武道館で行う
▼具志堅さんの闘志あふれる戦いぶりと、比嘉選手の姿を重ねるファンは多い。闘争心むき出しのスタイルが、関係者から客を呼べるボクサーと評価される理由だ
▼沖縄での試合は具志堅さんの悲願でもあった。引退試合となった37年前の具志川市総合体育館での敗戦の悔しさもあろう。だが「世界戦の素晴らしさを再び県民に」との思いを持ち続け、まな弟子の凱旋(がいせん)試合を「楽しみで喜び」とする
▼比嘉選手が出場したトリプル世界戦は、有明コロシアムが1万1千人、両国国技館は7千人超の観衆が詰め掛けた。県立武道館の観客席は4千人ほどと人数的に多くないが、会場は大吾コールで埋め尽くされよう
▼今年の本紙元旦号で世界への意欲を語った比嘉選手。世界王者の今、99センチの胸囲は10階級上のミドル級クラスとなり、左ストレートは規格外の破壊力だ。無敗神話へのファンの期待は2018年も続く。