<金口木舌>優しさあふれる「げんきくじ」


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 年賀状が8日から通常のはがき料金に戻った。料金不足だと差出人に戻されるようだ。遅れて出した返事が戻ったという人が出てくるかもしれない

▼知人の闘病を知らず、賀状を出したことがある。内緒にしていたと逆にわびられ「うれしかった」と言ってはもらった。不安な年越しだった本人や家族に「明けまして…」とやった気まずさが残った
▼言葉の使い方の難しさをラジオパーソナリティーの宮城麻里子さんの話に思った。朝の番組で笑顔になってもらおうと「眉間にしわが寄っていませんか?」と話したら、額にけがの痕がある方から苦情があったそうだ。ウェブマガジン琉球新報スタイルで語った
▼傷つけることもあれば、思いがけない人情にほろりとさせられるのも言葉。沖縄こどもの国で正月に引いた「げんきくじ」にこうあった。「だいじな人がげんきにすごせるようになる」「すきな人にたくさんあえるよ」
▼昨年のワークショップで幼児や児童が「誰かを元気にする言葉」をテーマに一生懸命考えた。「素直な優しさに打たれる」などと好評で、来年も継続する
▼連休が明け、新年が本格的に始動する感がある。一年の計を立てるのに遅れはしたが、小さなことであっても新たな挑戦を始める人がいるだろう。併せて誰かの幸せや健康を願い毎日の一歩を踏み出せば、きっと彩り豊かな一年になるはずだ。