<金口木舌>休息でパフォーマンスアップへ


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 娘の通う中学校から通知が来た。部活動を週1日休みにし、毎週日曜日も休日にするとあった。大会前など例外もあろうが、教員の働き方改革の一環による見直しだという

▼民間企業などで働き方改革が取り組まれている。教育現場でも同様に多忙が課題となっている。スポーツ庁は運動部活動の在り方を考える検討会議を開き、骨子案を示した
▼案では中学校の部活動について、少なくとも平日1日以上を休養日とし、1日の活動時間も抑制することなどを挙げた。部活動の教育的意義を認めつつ、過熱化への歯止めも重要なテーマとした
▼「チームを強くしたい」「選手の力を上げたい」。どの指導者も思いは同じ。だが休みを設けることで、心身のリフレッシュによる集中力向上が期待できる。子どもたちにも数々のメリットがあるはずだ
▼プロ野球侍ジャパンの主砲で、DeNAの筒香嘉智選手が日本の野球界の変化を求めて声を上げた。勝利至上主義や行き過ぎた指導は、指示待ちの選手をつくるなどと危惧した。熱心な指導も、方向性を間違うと子どもたちの可能性をつぶしかねないとも
▼結果や成績にこだわることも必要だ。だが、それを過度に重視することはスポーツだけでなく、働く場でもマイナスとなる。適度な休息で自らを磨き、パフォーマンス力を上げたい。未来を自ら描いていく見本を大人から示そう。