<金口木舌>パソコン県外移設


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 辺野古新基地に反対するオール沖縄会議のホームページに、国内外の地図上で新基地の規模を確認できるコンテンツがある。「甲子園球場グラウンドの158倍」という例えは、より実感が湧く

▼早速、自宅周辺の地図で試した。娘が通う学校、通勤時に利用するバス停、なじみのスーパーがすっぽり収まった。生活圏が新基地にのみ込まれる錯覚に陥る。国内の大都市でもやってみた
▼ふざけるなと言うなかれ。新基地が住民生活をいかに破壊するか考える機会となる。全国の知事にもパソコン上での県外移設をお勧めする。県庁所在地に新基地の図面を重ねるだけで感じるものがあろう
▼ここからは現実の話。18日、普天間第二小学校の上空を米軍ヘリが飛んだ。小野寺五典防衛相は上空を飛ばぬよう米側に申し入れた。ところが米海兵隊は「飛んでいない」と突っぱねた。ハガティ駐日米大使も防衛省の主張を「誤り」と反論した
▼上空飛行を止めきれない日本政府に勝手放題の米軍。どっちもどっちだと県民は怒っている。米軍ヘリの下に何があるのか、いま一度地図を確かめてほしい
▼国会議事堂周辺でもパソコン県外移設を試みた。首相官邸はもちろん外務省など各省庁、最高裁判所が収まる。米国大使館も新基地の中。沖縄の痛みを知ってもらえるよう、永田町や霞が関の住人にしっかり見ていただきたい。