トランプ氏の大統領就任から1年。排外主義的な政策や人種差別的、女性蔑視の発言で米国は混乱が続くが、対抗する大きな流れも出てきた。女性やマイノリティーの台頭だ
▼昨年11月の地方選。バージニア州で初のアジア系女性、ヒスパニック系女性、トランスジェンダー女性の州議員が誕生し、ノースカロライナ州シャーロットで初の黒人女性市長が、ワシントン州シアトルでは初のレズビアン市長が選ばれた
▼うねりのきっかけは昨年1月のウィメンズマーチ(女性の行進)だった。トランプ氏への抗議で女性らは立ち上がり、首都ワシントンDCをピンク色に埋め尽くした。性暴力を訴える「#MeToo」ムーブメントも広がった
▼2018年は「女性の年」になりそうだ。11月の中間選挙は79人の女性が州知事選に、390人が下院選出馬を検討し、米史上最多の女性が立候補する可能性が高い。草の根活動が支える
▼今年のマーチも多様な世代、人種、性別の人々が集まった。ジェニッタさん(18)は「私たちが賛同しないことが起こっているのを黙って見ているのではなく、声を届けたいと思った」と話した。怒りや不安を行動に変える力を感じた
▼今年は沖縄も選挙イヤー。地域の未来を決める大事な選挙が続く中、無関心ではいられない。「これっておかしくない?」。そんな女性たちの声が政治を身近にするはずだ。