<金口木舌>休みの日は自動返信で


この記事を書いた人 琉球新報社

 仕事のメールを送ると、こんな自動返信が届くことがある。「~日は出張でオフィスにいません。急ぎの方は~に連絡下さい」「~日まで不在です。出社は~日からです」。相手の予定を邪魔せず、日程のめどがつくのは安心だ

▼一方、メールや携帯電話でいつでもつながる時代だからこそ、休めない人も増えたように思う。メールが気になる。家族との時間に会社や顧客の連絡が入る。職種にもよるが、働きやすく、きちんと休める仕組みをどうつくるか
▼世界の主要国で最も労働時間が短く、生産性の高いドイツは労働者保護が徹底している。日曜は多くの商業施設は休み。公園でゆったり過ごす人の姿も多いという。消費者優先の日本との違いだ
▼「働き方改革」が叫ばれる中、長時間労働や「根性論」が根付いた社会を変えるには、発想の転換が必要だろう。しかめ面で働くより、多様な生き方に合った「幸せ」になるための働き方を考えたい。もちろん、安心して暮らせる給与や勤務条件が大前提だ
▼好調な沖縄観光を支える県内のホテルは、社内保育所やITでの業務効率化で人材確保に工夫を凝らす(13日付5面)。働く側の視点に立った変革からサービスのアイデアも生まれそうだ
▼24時間営業の店に囲まれた便利さはありがたい。でも、ちょっとくらいの不便さが誰かの笑顔につながるならと、心の余裕を持てる社会もいい。