<金口木舌>プラスを探す発想


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 7人制女子ラグビーの国際大会・沖縄セブンズが読谷村で開催された。青い海と緑の芝、温かい歓迎がことしも海外勢を魅了した

▼小柄な日本人は外国勢にどう並び立てるのか、大会前に専門家に聞くとこんな回答があった。「小さい選手には大きな選手にないものがある。自分の良さに焦点を当てられるかだ」。県ラグビー協会の安村光滋理事長の話だ
▼小さければスピードを、太めであればパワーを生かす。身長が低い、足が遅いからと足りない点だけではなく、自分の良さを見つけ、高めることだと。ラグビーの魅力そのものでもある
▼小売業のサンエーの在職者交流会を取材した。障がいのある従業員を対象にした研修だった。同社では障がいのある従業員の多くが客と接する売り場で仕事をしている
▼人財育成室の玉城むつ子室長は「制限はせず、何ができるかを本人と話し合う。売り場に出たいという人には出てもらう」と話す。障がいの有無に関係なく、個々の適性を見つけ、適所を任せる姿勢に先の安村さんの話を思い出した
▼従業員の金城弘輝さんは聴覚の障がいを「個性だ」と言い切った。ワン・フォア・オールは、得難いと認められた個々がチームに貢献しようとするラグビーの精神だ。職場で成長を続けたいと語る金城さんは、ライン際を快走するウイングのようにたくましく、頼もしく見えた。