<金口木舌>2歳の女の子と元ファーストレディー


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 米ワシントンDCに住む2歳のパーカー・カリーちゃんは、スミソニアンの国立肖像画美術館の「ある絵」にくぎ付けになった

▼見つめる先は、前大統領夫人ミシェル・オバマさんの肖像画。「女王だと思った」と絵を眺める女の子の愛らしい写真がSNSで広がり、たちまち話題になった
▼数日後、パーカーちゃんと対面したミシェルさんは一緒にダンスする動画を投稿。「大きな夢を見続けて。いつの日か、私はあなたの肖像画を誇らしく見上げることでしょう」とエールを送った
▼シカゴの貧しい街に生まれ、弁護士になった後、地域の若者支援団体などで活動したミシェルさん。肖像画のお披露目で「若い世代のこと、特に女の子、有色人種の女の子のことを考えている」と語ったのは、多様な分野で活躍する女性の姿が可視化されることこそ、希望を与えると知っているからだろう
▼日本はどうか。「経済活動への参加と機会」「教育達成」「健康と生存率」「政治的発言力」を基に、男女格差の度合いを示すジェンダーギャップ指数は世界144カ国中、114位と過去最低を更新。「女性活躍」の現実は厳しい
▼「あなたが見たいと思う世界の『変化』にあなた自身がなりなさい」というガンジーの言葉がある。女の子たちが色とりどりの花を咲かせ、大きな帆を立て、可能性広がる海にこぎ出せるよう、変化を作りだすのは私たちだ。