<金口木舌>学びへの意欲

 この春、名護市の北部農林高校定時制課程に花城正代さん(35)と優美さん(15)親子がそろって進学した。2人は3年間、クラスメートとして机を並べる

▼小学校でいじめに遭い、人間不信に陥った正代さんは中学卒業後に働いた。待遇の良い仕事をと考えた時、高校卒業資格の必要性を痛感した
▼ひとり娘の優美さんの夢は漫画家。専門学校の学費を稼ぐため、日中に働ける定時制を選んだ。娘を見守る母は感化され、自らも一歩を踏み出した
▼人生100年時代といわれる。政府は、社会人が仕事に役立つ知識を通信教育や大学などで学び直す「リカレント教育」の普及へ議論を進める。資格取得のための補助の拡充などが検討されている。事情を抱え学びを断念した人にとって、学び直しの機会が増えることを歓迎したい
▼加えて周囲の励ましや理解が大きな支えになる。夫が正代さんに掛けた言葉は「決心したら最後までやり抜け」。正代さんが学生生活への不安を取材で口にすると、優美さんは「野菜を育てたらいいさ」と突っ込む。すでに親友の掛け合いだ
▼入学前の面談で、学校側が資格取得を手助けすると答えたことも背中を押した。正代さんは卒業後、大好きな動物に関わる資格取得を見据える。学校側は「意欲があれば誰でも、いつでも学び直せる」とエールを送る。学び、挑戦することに遅過ぎることはない。