<金口木舌>宝石のように輝く表情

 「カムチャッカの若者が」で始まる詩「朝のリレー」は谷川俊太郎さんの名作。時間がたつごとに朝が各国で受け渡されていく様子をスケールの大きな視点で捉えた

▼今も歌われているだろうか。童謡「あさいちばんはやいのは」は、始業の早い順にパン屋、豆腐屋、牛乳配達などを歌う。谷川さんの詩は「地球は一つ」を実感させるが、この歌は多くの仕事で成り立つ社会のありようを示すように聞こえる
▼ことし、重度を含めた障がいのある人たちが情報技術の活用で就業を果たした事例をいくつか取材した。印象深いのは働きだす人たちの表情の輝きだ。雇用する側の代表者は「宝石のようだ」と表現した
▼中部地区障害者就業・生活支援センターにじの幸地睦子センター長は「社会につながり、誰かに必要とされる実感だろう」と目を細める。経済学者のシューマッハーは、仕事には人間にその能力を発揮・向上させる役割があると説いた。労働は自己表現とも言える
▼きょうは労働者の祭典「メーデー」。働き方改革が盛んに言われる中、働く人の権利を含め、労働の意味や意義を見つめ直す機会でもある
▼先の童謡の最後は「あさいちばんおそいのは」と寝坊助が出てくる。歌う子どもたちの破顔が目に浮かぶ一方、休養の大切さを言っているようにも受け取れる。連休後の生き生きとした表情は周囲にも活力をもたらす。



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