<金口木舌>ヒドラジンをイリジウム触媒で分解し、生じた水素を燃焼させる。・・・


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 ヒドラジンをイリジウム触媒で分解し、生じた水素を燃焼させる。SF小説「火星の人」で主人公が水をつくり出した方法だ。ヒドラジンは火星降下機に残った燃料に含まれた元素。探査中、火星に1人残された主人公は生き抜く工夫を重ねる

▼他の星での生活はさておき、災害の経験からか、水のつくり方などサバイバルを題材にした本が目に付く。このように命をつなぐため欠かせない水だが、日本人の認識は高いとは言えない
▼ミツカン水の文化センターが行った今年の「水にかかわる生活意識調査」で、「節水していない人」は6割で過去最高値だった。「家庭で1日に使っていると思う量は」との問いに、7割超が200リットル以下と答えた。実際はどうか
▼東京都水道局によると、平均約220リットルだという。あまり使っていないと感じる人が多いことも、水に対する関心が高まらない一因かもしれない
▼日本は世界最大の食料輸入国だ。食料の生産には大量の水が必要という観点からすると、日本は水に関しても他国に依存していると言える。世界の水問題は日本にも大きく関わるとの認識も必要だ
▼西日本豪雨で最初の大雨特別警報が出されてから、6日で1カ月を迎えた。河川の氾濫などの水害に加え、大規模な断水も被災地を悩ませた。水との付き合い方は考え続けなければいけない。まずは節水から始めよう。