<金口木舌>海外ドラマに実社会を見る


社会
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 海外ドラマの人気はいつからだろう。記憶をたどればサスペンスの「ツイン・ピークス」が思い浮かぶ。最近は動画配信で拡大した。アクションドラマ「24」にはまった人も多いのではないか

▼実社会の出来事を予見したかと思わせるものも少なくない。米国とテロを追った「ホームランド」にも引き込まれた。米大統領を巡る政治サスペンスを描く「スキャンダル」は権謀術数をめぐらす様が生々しい
▼このドラマには米大統領選で得票数を不正に操作する場面が出てくる。ドラマでは不正に操作するソフトを電子投票機に組み込んでいた。電子投票ならではの手法だ
▼米社会では以前から電子投票機の不正に懸念が根強い。今秋には一部の州でスマホアプリを使ったオンライン投票が初めて実施予定だが、これにも強い警告が出ている
▼日本でも特例法で2002年から電子投票が可能になった。わずかな自治体が導入したが、残った唯一の青森県六戸町がコストなどの問題で休止を決めた。名字や読みが同じ候補者の案分の回避や集計作業の効率化の利点もあるだけに残念ではある
▼知事選は期日前投票が好調だ。投票用紙を携帯電話で撮って報告する例があるのでは、との話を耳にした。那覇市選管に問い合わせたところ、撮影自体を禁じているという。電子投票になれば、そんな懸念もなくなるだろうか。