<金口木舌>車の両輪とは

 車はなぜ曲がれるか。点検の際に知人の整備士から教えてもらった。ハンドルを切るから、というのは当然のこと。そうではなく、カーブでのタイヤの動きのことだ

▼タイヤの軌跡を思い浮かべると内より外の距離が長くなる。左右の車輪が一本のシャフトでつながっているおもちゃがある。その印象が頭にあったから首をかしげてしまった
▼車好きには常識だろうか。車体を上げ、教えてくれた答えは左右で回転数が異なるようになっているから。シャフト一つでつながっているのではないそうだ。エンジンの動きはデフギアという装置で伝えられ、異なる回転数を可能にしている
▼「両輪」という言葉に違和感があった。県民投票の不実施を表明した首長らの言説だ。予算は提案したが、議会が反対しているから実施はしない。理由の一つに松川正則宜野湾市長は「行政と議会は両輪」を挙げた
▼そういう言い方はある。行政側に偏りがちな権力に対し、議会の権能を高めていこうとの文脈で用いる。要は、対等という意味合いだ。同じ決定をしなければならないということではない
▼異なる判断も含めて互いをチェックするのが本来の在り方だ。シャフトだけでつながった駆動輪を思い描いて行政運営をしているのだろうか。国会議員の助言もあって、曲がることのできない車を導いた先に行き着いた不平等である。



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