<金口木舌>署名がしたい


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 昨年夏、読者からいただいた電話を思い出している。新基地建設の是非を問う県民投票の実施を求める署名が始まって、しばらくたってのこと。どこで署名をすればよいのか、読者は熱心に尋ねてきた

▼「もう年を取ってね。あちこち出掛けることはできないけれど、どうしても署名したい」。本紙は署名数の伸びが鈍いと報じていた。読者はいても立ってもいられないという様子だった。署名できただろうか
▼昨年末、県民投票まで新基地建設を止めるよう求めるホワイトハウスへの請願署名が盛り上がりを見せているころに寄せられた電話も忘れ難い。ネットによる署名の方法が分からないという。声から推測して高齢者のようだ
▼「ガラケーを使っているけど、うまくいかない」と困り果てていた。英文サイトによるネット署名は確かに難しい。似たような電話は他にもあった。同僚が相談に応じたが、理解してもらえただろうか
▼県民投票不参加を決めている5市の動きに接し、電話をくれた人々のことを考えている。5市の市民であれば一票を投じることができない。これでよいはずがない
▼県民投票に背を向ける首長や議員の言い分は理にかなっているか。県議会与野党は、新基地問題の行方に気をもむ県民と向き合っているか。議論は尽くされたのか。いま一度問い直してほしい。投票まであと1カ月だ。