<金口木舌>SOSに気付くか

 西条八十の詩に「子供礼讃」がある。幼い娘と触れ合う父親としての喜びを歌う。同時に今は無邪気な子がいずれ抱える悩みを思い「私の手で癒やせぬ」だろうとつづっている

▼「中学生の50%が生活に不安/死んだ方がまし21%も」。昔の本紙から見つけた記事だ。1977年2月、那覇市内の中学1年生全員を対象にした調査の結果を報じた。「驚きというより恐ろしい」との社説も載った
▼その40年後、2017年の統計で10代前半の日本人の死因で自殺が1位となっていたことが最近分かった。全体の自殺者数は減少しているのに10代だけが横ばい。他の世代ほど原因の解明が進んでいないという
▼77年の調査結果には、生活が豊かになった一方、精神面の成長が伴っていないとの指摘が上がり、学校、家庭での対策が叫ばれた。40年がたった日本の社会の断面である。長い休みが明けたころに急増すると聞くとまたつらくなる
▼思い煩う子どもたちにはどうか打ち明けてほしい。ネットやLINEの窓口もある。呼び掛けつつ考えさせられるのは、子どものSOSに敏感な社会であるのかということだ
▼八十は親離れの寂しさを歌ったのだろう。ただ、わが子であれば関わりようもある。今の問題は地域や社会でどのように取り組むことができるかだ。あたら若い命が絶たれ続ける問題から目を背けてはならない。


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